2010年11月26日金曜日

コーエン兄弟コンプリート

コーエン兄弟祭りもついに最後の1本となった「ディボース・ショウ」を観た。これで、まだ日本公開されていない新作を除けば、作品をすべて観たことになる。今年はイーストウッド作品も全て制覇したので、なかなかの達成感である。「ディボース・ショウ」はネットで見る限りではファンの人気が低い作品で、ジョージ・クルーニーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズといういかにもハリウッド的なスター同士をキャスティングしている点も「らしくない」感じが漂うし、確かにコーエン兄弟としては異色な、きちんと落としどころのある現代風スクリューボール・コメディである。実際のところあまり期待せずに見たが、より「コーエン兄弟らしい」と言われている「オー・ブラザー!」(どうも僕はこの作品を基準にする癖があるみたいだ)などよりも、ずっと出来はいいと思った。男女の駆け引きというプロットから無駄な脇道に逸れることなく流れるように見せる手際がいいし、クルーニーの過剰演技も本作では生きていると思う。後世に語り継がれるような映画でないことは間違いないが、少なくとも失敗作ではない。全作品を観た結果、僕のお気に入りのコーエン作品は「赤ちゃん泥棒」「ミラーズ・クロッシング」「ファーゴ」「バーバー」「ノー・カントリー」「バーン・アフター・リーディング」ということになる。

「グロリア」を観てしまったがために、今度はカサヴェテス熱が始まっているのだが、嘆かわしいことに、TSUTAYAには彼の作品はほとんど置いていない。「アメリカの影」も「こわれゆく女」も「ミニー&モスコウィッツ」も「ラヴ・ストリーム」も借りることができないのだ。これは誇張でも何でもなく、真に驚くべき事だと思う。仙台のような街の駅前のTSUTAYAで借りることができるカサヴェテス作品が「グロリア」と「ビッグ・トラブル」だけとは! 差し当たって、家にある「ジョン・カサヴェテスは語る」でも読んで気を鎮めることにする。パラパラと頁をめくっていると目に飛び込んでくるスチール写真が、どれも激しくカッコイイ。文字通り、血が騒ぐ。

yumboのHPを見たニューヨークの16才の男の子が、yumboの作品を通販してほしいとメールをくれた。ネットの自動翻訳でHPを見てくれているという。なぜ彼のような人が日本の、それもほとんど無名に近い僕らの事を好いてくれているのか不思議でならないが、よく考えたら僕も、1981年に素晴らしいシングルを1枚だけ出したサンタ・クルーズのPeer Pressureという無名バンド(彼女たちの事はポスト・パンク博士のキャルヴィン・ジョンソンさえ知らなかった。つまりyumboよりも無名なのだ)のファンだったりするわけだから、そういう事は充分にあり得るのか、と思う。

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